
2学年対象 翻訳コンテスト
●最優秀作品●
2年9組19番本橋厚子
ピーターフォーチュンが10才の時、大人たちは時々ピーターに「おまえは気難しい子だ」と言っていた。ピーターは彼らが言っている意味が分からなかった。ピーターは少しも気難しいとは感じていなかった。ピーターは牛乳のびんを庭の壁に投げつけたり、トマトケチャップを自分の頭にかけてそれを血に見せかけたりおばあちゃんの足首を刀で切りつけたりすることを時々は考えたけれど、やらなかった。ポテトを除いた野菜と魚と卵とチーズ以外で食べられないものはなかった。ピーターは知っている他の人と比べてうるさかったり、汚かったりバカだったりすることはなかった。ピーターの名前は言うのも書くのも簡単だった。顔は顔色が悪くて、そばかすがあり、おぼえやすかった。ピーターは他の子供たち同じように学校に通い、そのことでやきもきしたりしなかった。ピーターは自分の妹が自分を嫌っているように妹のことだけは嫌いだった。お巡りさんはピーターを逮捕するために玄関をノックしに来たことはなかった。白衣を着た医者はピーターを精神病院に連れて行こうとすることはなかった。ピーターに関する限りでは、本当にまったく心配なかった。彼のどこが気難しいのだろう。
ピーターは何年もたって大人になってはじめて理解できた。大人たちはピーターがとても無口だったから、気難しいと思っていたのだ。それが人を悩ませたように思えた。
その他の問題は、ピーターが一人でいることが好きだったことである。もちろんいつでもではなく、毎日でもない。しかしほとんどの日、ピーターはベッドルームか公園へ1時間立ち去るのが好きだった。ピーターは一人になって考えるのが好きだった。ところで、大人たちは10才の子が頭の中で考えていることを分かっていると思いたいのである。そして、しゃべらないとその子が何を考えているのか分かるというのは無理なことである。人々はピーターが夏の午後あおむけで寝そべって一本の草をかんで、空をじっと見つめているのを見たものだった。「ピーター!ピーター! 何を考えているの?」と彼らは呼びかけたものだった。そしてピーターはびくっとして起き上がったものだ。「おお、何も。少しも。」
大人たちは何かを考えていることを知っていた。しかし、聞いたり、見たり、感じたり、することはできなかった。彼らはピーターに止めろとは言えなかった。なぜなら、ピーターがそこで何をしているのかわからなかったからである。
ピーターは学校に放火することも、妹をワニに食べさせることも、熱気球で逃亡することもできた。しかし、彼らが見たのは、まばたきもせず青い空をじっとみつめている少年、名前を呼んだとしても聞いていない少年なのである。
ピーターが一人でいることも大人たちはあまり好きではなかった。彼らは他の大人が一人でいることさえ好きではなかった。あなたが仲間に加わるとき人々はあなたが何をしようとしているか分かる。あなたは彼らがしようとしていることをしようとする。あなたは仲間に入らなくてはいけない。さもないとあなたはだれをも失ってしまう。ピーターは違う考えを持っていた。仲間に入ることはその場ではとても楽しい。しかし、その場から離れてもそれは続くのである。もし仲間に入ったり、人を仲間に入れることに費やす時間を、もっと少なくして、日々少しでも一人で仲間はどんな人だったかとか、こんな人だったかもしれないと思い出していれば、その時世界はもっと幸せな場所になり、戦争は決して起こらないかもしれないと実際にピーターは考えていた。
学校でピーターは心だけ机に座っている体から離れて旅をしていることがよくあった。家でさえ、空想していてトラブルに巻き込まれた。あるクリスマスの日、ピーターのお父さんのトマスフォーチュンは居間に飾り付けをしていた。それはトーマスの嫌いな仕事であった。それはいつもトーマスをいやな気分にさせた。トーマスは一つの角の高いところに色紙のテープを付けようとしていた。さてその角には、ひじかけいすがあり、そのいすには、特に何もしていないピーターが座っていた。「動くな。ピーター。お前のいすの上に立って手を伸ばしたいんだ。」とトーマスフォーチュンは言った。「分かった。やっていいよ。」とピーターはこたえた。トーマスフォーチュンがいすのところにくるまでにピーターは空想していた。ピーターは何もしていないように見えて、本当はとても忙しいのだ。ハンガーと伸ばした針金を松ノ木に結んで山を速く下りるわくわくする方法を考え出していた。ピーターはお父さんが自分のいすの後ろに立って天井に手を伸ばそうと精いっぱいやってあえいでいる間もそのことを考え続けていた。ピーターはどうやって針金を結んだ木にぶつからないで滑り降りるか考えていた。たぶん、ピーターにお腹がすいていることを思い出させたのは、山の空気だった。台所には、開けられていない、チョコレートのビスケットの小さな包みがある。それはがまんできなかった。ピーターが立ち上がった時、後ろでひどい音がした。ピーターが振り向くとお父さんが頭からいすと角の間に落ちていたのだった。その時、トーマスフォーチュンが再び頭から現れて、ピーターを小さいかけらにきりきざむようなふりをした。部屋の反対側ではピーターのお母さんが手で口をかくして、笑いをこらえていた。ピーターは言った。「あ、ごめん。お父さん。お父さんがそこに居るの忘れてた。」
ピーターが10才になって間もなく、ピーターは7才の妹のケイトを学校に連れて行くのを任された。ピーターとケイトは同じ学校に通っていた。学校までは、歩いて10分か、バスだと少し乗るとついた。いつもは、お父さんが会社に行く途中までいっしょに歩いて行った。しかし、もう今は子供たちは、ピーターが責任をもって、自分たちでバスに乗って学校に行ける年だと思えた。停留所は道を下ったところに2つしかなかった。しかし、ピーターの両親はバスに乗せようと思っていた。あなたは、ピーターは、ケイトを北極までつれていくと思ったかもしれない。ピーターは前の晩、指示された。ピーターが起きたときもう一回聞かされた。そして両親は朝食の間ずっと繰り返して言っていた。子供たちがドアの外に出るとお母さんのビオラフォーチュンが最後にもう一度指示した。ピーターはみんなが自分のことを馬鹿だと思っていると思っいた。たぶん自分も。ピーターはずっとケイトの手をにぎりしめていなければならなかった。二人は一段下がったところに座り、ケイトは窓のそばにすわらなければならなかった。二人は変な人や、人と話さないようにしていなければならなかった。ピーターはバスの車掌さんに自分の降りるバス停の名前を大きな声で「お願いします。」と忘れずに言わなければならなかった。ピーターはお母さんの言ったことをお母さんに繰り返して言った。そしてバス停に向かって出発した。二人はずっと手をつないでいた。本当はピーターはケイトのことが好きだったので、これはイヤではなかった。ピーターは女の子の手を握っているのを友達に見られるのを単純にイヤだったのだ。バスが来た。二人は乗って座った。座ってからも手をつないでいるのはばかげているし、学校の子がいたので二人はそれぞれはなれた。ピーターはいばっていた。どこでも妹の面倒をみれた。妹はピーターを頼っていた。
もし、二人だけで山で、腹を空かせた狼の群に出会ったとしてもピーターはちゃんと何をすべきかわかっていた。とっさの行動に移らないように注意して、後ろに大きな岩があるところまでケイトと動くのだ。そうすれば、狼たちは、2人の周りを囲むことができない。それからピーターは忘れずに持って行かなくてはいけない二つのものを持っていた。それは、狩猟用ナイフとマッチである。ピーターは狼が攻撃してきた場合、それに備えて、ナイフを鞘からだして芝生の上に置いた。今、狼は近くに来ている。狼たちは腹ぺこでよだれを垂らし、うなり声をたててほえている。ケイトはすすり泣いていたが、ピーターはケイトをなぐさめることができなかった。ピーターは計画に集中しなければならないことをわかっていた。ちょうどピーターの足下には、枯れ葉と小枝がある。ピーターはすばやく巧みにそれを小さな山のように集めた。狼たちはじりじり近寄ってきている。箱の中ににマッチは一本しかない。2人は狼のくさった肉のにおいのする息をかぐことができた。ピーターはしゃがんで、手をお椀のようにして囲みながらマッチをつけた。突風が吹いて火が揺らめいた。しかしピーターはそれを持ちこたえて、枯れ葉と小枝の山に近づけると、一枚の葉が燃えて他の葉に燃え移り、すぐに燃えさかった。ケイトはピーターの考えがわかり、ピーターを手伝った。狼は退散していった。野生の動物は火を怖がるのだ。火は高く飛び散って、風は煙を動物たちのよだれを垂らしている口の中に運ぶのだ。ピーターは狩猟用のナイフを持ち...ばかげている。これは空想で、ピーターは注意していなかったら、バス停を乗り過ごすところだった。バスは停止していた。ピーターの学校の生徒たちは、すでにバスを降りていた。ピーターはバスが再び出発しようとするとき、どうにか歩道に飛び降りた。ピーターが何かを忘れたことに気づいたとき、バスは50ヤード先を走っていた。それは学生カバン?ちがう!妹だ!ピーターは妹を狼から守って、妹はそこに座っていた。しばらくの間、ピーターは動けなかった。ピーターはバスが道路を走っていくのを見ながら、立っていた。「戻ってきて。戻ってきて。」ピーターはつぶやいた。同じ学校の生徒が一人やってきて、ピーターの背中をたたいた。「おい、どうしたんだ?お化けでも見たの。」ピーターの声は遠くから聞こえてくるようだった。「ああ、なんでもないよ。バスに何か忘れてきちゃたんだよ。」そして、ピーターは走り出した。バスはもう1/4マイル先にいて、次のバス停に止まるためにスピードを落としていた。ピーターは全速力で走った。ピーターは手を大きく広げて離陸するぐらい速かった。そしてピーターは木の上をすれすれに飛んで、...ちがう!ピーターはまた空想を始めるつもりはなかった。ピーターは妹を連れて戻らなくてはならなかった。ちょうど今、妹は恐怖で泣き出しているだろう。何人か乗客が下りて、バスはまた動き出した。ピーターは前より近づいていた。バスはトラックの後ろをのろのろと走っていた。もしピーターが足と胸のひどい痛みを忘れて走り続けることができたら、追いつけただろう。ピーターがバス停まで来たときバスはたった100ヤードしか離れていなかった。「もっと速く!もっと速く!」ピーターは心の中で思った。バス停のところに立っている子がピーターが通過するとき大声でピーターを呼んだ。「ねえ、ピーター!ピーター!」ピーターは頭が回らなかった。「止まれないんだ。」息切れしながら言って走り続けた。「ピーター!止まって!私よ!ケイトよ!」ピーターは胸を押さえて妹の足下に芝生に倒れ込んだ。「犬のふんに気をつけて!」妹は息を乱している兄を見て、冷静に言った。「さあ、行こう!歩いて戻らないと遅刻するわよ。お兄ちゃんはトラブルに巻き込まれても私と手をつないでいた方がいいわよ。」それから2人は一緒に学校へ歩いていった。そしてケイトはちゃんと約束した。家に帰って今日起こったことを何も言わない代わりに土曜日のお小遣いをもらうことにした。
あまりしゃべらない空想家は学校の先生の苦労の種だった。特にその人をよく知らない先生だと、その人をかなり頭がおかしいと思ってしまう。そうでなければ、退屈していると思われる。誰もそのこの頭の中で、びっくりするようなことが起こっていると分かる人はいない。窓の外をじっと見ていたり、机の上のテスト用紙が白紙だったりするピーターを見た先生は、ピーターは退屈しているとか、問題の答えを考えているところだと思ったかも知れない。たとえば、ある朝、ピーターのクラスの生徒は数学のテストを受けた。そのテストは、いくつかの大きな数の合計を出すもので、20分でやるものだった。ピーターは最初の35,00,295に別の大きな数を足す問題を始めてからすぐに世界で一番大きな数のことを考えていた。ピーターは先週グーゴルという不思議な名前の数について読んだ。グーゴルは10を100回かけた数である。10にゼロが100コつくのである。そして、もっといい、すばらしいグーゴルプレックスという言葉がある。グーゴルプレックスというのは、10をグーゴル回かけた数である。なんて数なんだ!!ピーターはその大きさに驚いていた。ゼロは泡のように引きずっていた。ピーターのお父さんは、天文学者たちは大きな望遠鏡で見ることができる何百万もの星のすべての原子の数は10に98コのゼロをつけた数であるということを考え出したことをピーターに話した。世界中のすべての原子でも足りないのだ。そして、グーゴルプレックスに比べれば、つまらない、小さなかけらなのである。たとえ誰かに、グーゴル個のチョコレートタフィーを要求しても、宇宙にはそれをつくれるだけの原子はないのである。ピーターはほおづえをつきながらため息をついた。そのとき、ちょうど先生が手をたたいた。20分がたったのだ。ピーターがやったことは、最初の問題の答えを書いただけであった。他のみんなは終わっていた。先生はピーターがページをじっと眺めているのに何も書かずにため息をついているのを見ていた。それから間もなく、ピーターは4と6のような小さな数でさえ足し算が難しいと思っている生徒たちのグループにいた。すぐにピーターはうんざりして注意を払うのは大変だと分かった。先生はこの特別なグループの中でさえピーターは数学ができないと思い始めた。彼らはピーターに何をすべきなのか?
もちろん、ピーターの両親や妹のケイトはピーターが馬鹿でも怠け者でも退屈しているのでもないことを知っていた。そして、ピーターの頭の中では、おもしろいことが起こっているのを分かってきた先生たちもいる。そして、ピーター自身成長するにつれて、人々は他人の頭の中のことは分からないということ、自分を理解してもらうための一番いい方法は話すことだということを学んだ。それからピーターは窓の外を眺めているときや仰向けに寝ころんで空を見ているときに空想したことを書き留め始めた。ピーターが大人になったとき、発明家、小説家となって幸せを導いた。この本では、正確に書き留められたピーターの頭の中で起こった不思議な冒険のいくつかを紹介します。
●課題文
●
英語科の先生の紹介に戻る

お問い合わせ
Eigo@kikuka-hs.suginami.tokyo.jp
菊華中学・高等学校
〒166 杉並区阿佐ヶ谷南2丁目30番17号
TEL: 03(3316)3311
FAX: 03(3316)3310