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相手は演劇部期待の新人、弁が立つ。鋭い突っ込みにたじたじになりながら、こちらも これだけは負けられない。キャラクターやマンガの絵は記号に近いものがある。
そして観念が一人歩きする。真似もしやすい。見る、気づく、感動する、考える、
創り出す、創造する喜び。出来合いを簡単に模倣することは、まず「美術の勉強」
の基本から最もかけ離れたところにあると言っていいだろう。週にたった一度の大切な授業なのに、このような言い合いで五分、十分と作業が中断 してしまうのはもったいない。 「とにかく、ダメなものはダメなの。」 と言ってしまう。憮然とした表情のまま納得がいかない様子の生徒。 案の定、あっという間に無情のチャイムが鳴る。生徒とやり合うのもなかなかエネルギーがいる。大事なところはきちんと押さえなくては、絶対譲るものかという気持ちと、少しは分かってくれたかな、怒っていないかな、といささかの心配。 それから二日後の昼休み。仲良しの友だちを連れだって彼女がやってきた。 「先生、話があります。」 一瞬ドキッとする。 「自分で考えた絵なんだけれど…見てくれる?夕べ一晩かかって、 超大変だったけれど…。」 そこには街中でよく見かけるキャラクターではなく、世界でたったひとつの 図柄がデザインされていた。 |